こんにちはうさよしです。
K-popを応援していると必ず出会う言葉、それが「カムバック」。
日本のエンタメ界ではなかなか聞きなれない言葉ですよね。
それもそのはず、日本のアーティストは、半年~1年に一度シングルを出し、それが数枚たまったらアルバムを発表する、といった活動の仕方を取っていますが、
韓国のアーティストは、1年半~2年ごとにアルバムを発売し、その発売期間に合わせ約1ヶ月間の間精力的にプロモーション活動をするんですよね。
この活動が、俗に言う「カムバック」です。
2018年の5月、私が応援しているSHINeeのカムバックを初めてリアルタイムで経験した私は、そのとんでもない熱量とファンの熱狂ぶりにびっくりしました。
つくづく、K-popのマーケティングは本当にうまい。
というわけで、なぜK-popのカムバックシステムはここまでファンを熱狂させることが出来るのか、その理由を6つの視点から紐解いていきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。
- 「お祭りが始まるぞ」という演出がうまい
- コンセプト設定、アートディレクションが秀逸
- とんでもない量の露出・走り抜けている一体感
- 頑張れば生で見れる臨場感
- K-popアイドルの不安定感・期間限定感
- 韓国競争社会の縮図
- まとめ
「お祭りが始まるぞ」という演出がうまい
例えば、あるグループにカムバックの兆しが見えると、公式SNSやHPはそこから一斉に情報を続々と投下し始めます。
それが、「ティザー」と言われるもの。
全容が見えそうで見えない、断片的な写真とか、10秒位のイメージ映像とか、「こんな姿でカムバックしますよ~、お楽しみに!」というのを小出しにしてくるんです。
この続々と解禁される情報の波のお陰で、「いよいよお祭りが始まるぞ~!」みたいなわくわく感がすごい。
そして、「もっと見たい!早くカムバックを!」というファン心理が刺激されるんですよね〜。
ファンの中には、まるで文化祭前夜みたいな雰囲気が充満し始めるんです。
コンセプト設定、アートディレクションが秀逸
K-popは、カムバックごとにそのコンセプトがしっかり決められています。
音楽もパフォーマンスも、作品のアートディレクションも、更には髪型とかファッションといったメンバーのルックスまで、完全に世界観を統一させてくる。
例えば、私が応援しているSHINeeだと、韓国の第四集「Odd」では「おもちゃのピエロ」というコンセプトのもと、メンバー全員カラコンをしたり奇抜なヘアカラーをしたりしてきた。
お次の第五集「1of1」では、「レトロ」というコンセプトのもと、ダブルボタンのラッパズボンにゴールドアクセサリーじゃらじゃらという、とんでもなくバブリーなスタイルで登場してきた。
いままでのイメージとガラッと変えたヘアスタイルとか、作品の雰囲気を見るのって、ファンにとってもすごく楽しいんです。「次はこう来たか〜!」みたいなね。
アイドル達がカムバック前、しきりに「新しい姿をお見せします」っていうのはまさにこれのこと。
カムバック期間の間、ず~っとその姿で露出を続けてくれるので、完全にその世界観にどっぷりと浸からせてくるんですよね。
とんでもない量の露出・走り抜けている一体感
日本のアイドルも、ニューシングルを出すと音楽番組に出たりしますが、K-popアイドルはその比じゃありません。
カムバック中の約1ヶ月の間、テレビ・ラジオ・雑誌にファンイベントと、とにかくとんでもなく働く。
もちろんその露出量もとんでもないんです。
毎日何本もの番組に出演し、そしてその動画や写真はネットにすぐにアップされるので、ずーっとSNSに張り付いていても、ファンが追いきれないくらいの情報量。
カムバックの約1ヶ月間、アーティスト達はそのハードスケジュールさでどんどんやつれていくと言われていますが、彼らの情報を必死に追い続けるファンもまた、同じようにやつれていくんですよね。笑
そうなってくると「メンバーとファン、みんなでこのカムバックを走り切ろう!」みたいな文化祭ノリ的な一体感が生まれてくるんですが、これがなかなか楽しい。
K-popアイドルは、しきりに「ファンの皆さんとカムバックを頑張りたい」的なことを言うんですが、これは本当にその通りで、アイドル本人だけではなく、ファンもその活動に乗り遅れないようについて行って、それを盛り上げていくことがカムバックの醍醐味なんですよね。
頑張れば生で見れる臨場感
K-popアイドルのカムバックの活動は多岐に渡りますが、テレビ収録、公開ラジオやサイン会なと、とにかくファンが生で本人達を見れる機会がたくさん用意されています。
中でもテレビ収録は、日本のように事前抽選システムではなく、とにかく「並んだ人が会場に入れる」という原始的な方法なので、頑張れば本人達の姿を見ることができちゃうんですよね。(朝5時とかから並べば、ですけど)
こんな風にファン全員に門戸が開かれている活動がたくさんあるので、「頑張って生で見よう!!」という気持ちが駆り立てられるんです。
しかもこれらの活動、もちろん日本人だって参加することが出来ますから、カムバック中は渡韓して、テレビ収録やサイン会に積極的に参加する日本人ファンもたくさんいるんです。
なんかこの、「気合いがある人が報われる」的な平等なシステムって、80年代の日本のアイドル文化とちょっと似ている気がします。
とにかく時間を費やした人が勝ち!みたいな感じ。
でもこの「頑張れば生で見れるシステム」のお陰で、どんなファンでも「私も行ってみようかな!!」と鼻息荒くなってしまうので、ますますカムバックは盛り上がるんですよね。わかるわかる。
K-popアイドルの不安定感・期間限定感
日本のアイドルグループって、嵐とかV6とかにみられるように、よっぽどのことが無い限りメンバーの脱退とかもないし、10年20年となが~く活動して、お茶の間に浸透していくみたいな、いわゆる「日常感・安定感」みたいなものがあるんですよね。
だから、新しいアルバムが出て、コンサートに行けなかったとしても、「まあきっと次のライブがあるよね」的な安心感がある。
でも、K-popアイドルグループは全然違うんです。
K-popアイドルって、とにかく入れ替わりが激しいので、グループが落ち目になってしまうと途端に活動が減ってしまう。
事務所と揉めてメンバーが脱退、なんてこともしょっちゅうだし、韓国特有の兵役制度もありますから、「次のカムバックも、このメンバー全員で」みたいなお約束事は全くないんです。
むしろ、何年もメンバーの変動が無いグループって本当に珍しい位。
このように、日本のアイドルグループが持つ「いつでも会える安心感」みたいなものが全くないからこそ、「今回のカムバックを全力で楽しまなければ!!」みたいな焦りにも似た感情がファンの中に芽生えるんですよね。
この一種の「不安定感・期間限定感」も、K-popグループのカムバックを熱く盛り上げている要因なんです。
韓国競争社会の縮図
さて最後ですが、これはもはや韓国社会をそのまま表していると言ってもいいでしょう。
K-popのカムバックって、韓国特有の競争社会をそのまんま反映しているような雰囲気なんですよね。
例えば、音楽番組では毎週投票システムがあって、ネット投票などによりカムバック中の歌手をランク付けしたりするんです。
んでもってファンは、自分が応援しているグループに一位を取らせてあげたいから、積極的に投票したり、献身的に努力するんです。
K-popグループはとにかくカムバック期間中の盛り上がりや、音楽チャートや賞の結果に掛けてるところがありますから、どのくらいカムバックが盛り上がったかで、そのグループの評価が決まってくるんですよね。
だから、本人たちもファンも、「カムバックを成功させて、次に繋げるぞ!!」という気合満々なんです。
このあたりは、ゆるくのんびり応援できる日本のアイドルグループとかなり違いますよね。
本人達とファンが一体となって、競争レースを勝ち抜こうと頑張るわけです。
そんなわけで、カムバック期間っていうのはまさに「勝負の期間」なんですよね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
K-pop特有のカムバックという文化は、あらゆる要素が絡まりあった結果、世界中のファンを熱狂の渦に巻き込んでいくという、とっても興味深いシステムなんです。
パフォーマンスが素晴らしいのはもちろんのことですが、K-popがここまで世界中に浸透したのって、きっとこういうマーケティングの賜物な気がしています。
はたから見てると、カムバック中のファンって「なんでそんな必死なの?」ってなかなかに面白かったりするんですけど(笑)、渦中にいると結構楽しかったりする。
というか私は、今回初めてSHINeeのカムバックをリアルタイムで体験できて、めちゃくちゃ楽しかったです。
これからもK-pop特有の文化を知って、更にファン活動を楽しんでいければと思います。
長々とお読みいただきありがとうございました。この記事が役に立った!という方は、是非ブックマークやSNSでのシェアをお願いします。